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【怪談】人探しならぬお墓探しをするということ

私は昔から人の生死に関わると色々奇妙な体験をすることがありました。
先日もこんなことに遭遇しましたのでお話しましょう。

 


依頼者は白髪の上品な70代の女性。
ある日、掃除をしていたら昔の相続の書類を発見し、ご主人には養女に出された妹がいることをはじめて知ったそうです。

 

実際に書類を見せてもらうと妹さんは6歳の頃に亡くなっていましたが、ガンで入院中の夫のために「お墓を探してほしい」と訪ねてこられたのです。

 

私は依頼を引き受けることにしました。

 

ほどなくして、お墓は隣県の墓地にあることが判明しました。

 

その墓地は3分の1が同じ名字だった為、ひとつひとつ墓石と墓誌の戒名と忌日を確認しなくてはなりませんでした。
週末で時間も遅かったので、私は週明けの朝に出直そうと現地を後にしました。

 


 


その晩、岐阜の温泉に向かっていたときに事は起きました。
高速を走っている途中、ナビのモニターをふと見ると何も映っていないに気づきました。
「さっきまで映っていたのに・・・まあいいか。」
降りるインターはわかっていたので高速道路を降りたところで車を止めました。

 

エンジンを切り、もう一度かけ直したところ、今度は音楽まで止まってしまいました。

 

「どうなってるんだ!」

 

タッチパネルに触れても横のボタンを押しても無反応。ボタンの類は光っていました。
困った私はクルマ屋に電話して症状を事細かに伝え、指示された操作を行うもやはり改善することはありませんでした。
「宿の近くに行ったら電話して誘導してもらおう。」そう考えて再び走り出しだしたのですが・・・

 

 

 

少し車を走らせたところであることに気づき、思わずつぶやきました。

 

「この世の者じゃない者のイタズラか?」

 

その瞬間全身に悪寒が走り、後部座席にナニかの気配を感じました。

 

「ヤバイ、憑かれる!」

 

と焦ったが、すぐにその気配は消えたのでした。
思わず「早く探せってこと?」と問うと、直後にナビのモニターが映り、音楽が鳴り出しました。
昔から霊感はあるがイマイチ鈍感な私に、霊はメッセージを伝えるためにイタズラをしたようでした。
その場で「すみませんでした! 明日絶対探します」と言葉を漏らしました。

 

次の日、朝から向かい探したのは言うまでないことです。

 

妹さんの意思か、はたまた闘病中のご主人だったのか知る由もありません。
ちなみにそれ以降ナビは一度も調子が悪くなったこともないです。

 

 

2013/04/03 探偵ファイル投稿

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